フィルタ

タブレットとは、ノート型の小型パソコンのことです。国が進めるGIGAスクール構想において、今年度より全国の学校で1人1台のタブレットが配付されました。GIGAスクール構想は、当初は数年かけて順次進める予定でしたが、コロナ禍で学校が休校になっても、児童が自宅でインターネットを通じて学校の授業が受けられるよう、急遽予定を繰り上げ、昨年度末までに物的環境を整備し、今年度より授業での活用を図ることとなりました。教員にとっても初めての体験で、タブレットで何ができるのか探るところから研修を始めました。そして、授業の中で少しずつ活用しながら、今ではその範囲がかなり広がってきました。児童が、自分の考えをタブレットに書き込み、その画面を教室前面に置いている大型テレビに投影したり、図工の作品をタブレットのカメラで撮影して記録に残したり、体育での運動の様子を動画撮影して自分の動きを振り返って次の練習に役立てたり、… このような学習の様子を見ていると、近未来の学校に来ているような錯覚に陥ります。タブレットの学習を始めてまだ3か月程ですが、その可能性はとても大きなものを感じます。今後もタブレットの効果的な活用法の研究に鋭意取り組んでまいります。

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和気は自然が豊かな町です。県外からの移住者の方も、和気を選んだ理由のひとつに、自然が豊であることを挙げられていました。そんな環境で育つ本校の子どもたちも、自然にはとても親しみをもっているようです。教室で魚などの生き物を飼っている学級が多いですが、その生き物も子どもたちが自分でつかまえて学校へ持ち込んできたものがほとんどです。毎日、興味深げに観察し、卵からかえったり、さなぎから出てきたり、と生き物の成長の変化を驚きと喜びをもってとらえています。生き物に触れ、世話をすることを通して、生き物を愛護する心や豊かな情操を育てることにつながります。昨年度のことですが、ある学級で飼っていたイモリが死んでしまいました。そのイモリには、名前も付けられていて、とてもかわいがられていました。その学級では、中庭の隅にイモリの墓を作り、大切に葬りました。今年度になり、イモリの死後、半年以上経過しましたが、そのときの子どもたちは、今でも毎朝登校したらイモリのお墓参りをしてから、教室に入って行きます。

今朝、ある通学班の集合場所に行って子どもたちを待っていたら、ある子がわたしに「どうぞ!」と花を差し出しました。集合場所に来るまでに道ばたに生えていた花です。名前はわかりませんが、春に咲く小さくてかわいい紫色の花です。「ありがとう。校長室の机の上に飾っておくね。」と言って受け取りました。その子は、かわいい花を見つけ、誰かにあげて喜んでもらいたい、と思ったのでしょう。優しい心遣いにわたしの心もほっこりとしました。校内では、何と言っても6年生が、リーダーとしてがんばっています。特に、1年生へのサポートには意欲的です。登校後、何人かの6年生が1年生の教室に行き、朝の準備の手伝いをしています。また、運動場に全校が並ぶときには、別の場所で待機している1年生を並ぶ場所まで案内しています。もちろん教師の指示があってのことですが、進んでがんばろうとする意欲が十分に伝わってきます。和気小の子どもの心の優しさを日々感じます。

本校の中庭には、大きな紫陽花の木が数本あります。6月になると、梅雨の雨に濡れて上品な彩りの花(正確には「がく」)が、わたしたちの目を楽しませてくれます。その後、花や葉は枯れてしまいますが、最近、枝の先から新しい芽が吹いているのを見付けました。自然は、春に向かって力強く進んでいることを実感します。さて、今年度も残りひと月となりました。6年生を送る会が3月2日(火)、卒業式が3月19日(金)、修了式が3月25日(木)と年度末の行事がいくつも並んでいます。今、学校では、目前に控えた6年生を送る会に向けて、それぞれの学年が懸命に準備や練習に取り組んでいます。また、6年生は、卒業に向けて、呼びかけの練習や「卒業プロジェクト」と称して、学校へのボランティア活動等にも取り組んでいます。これら、卒業関連の行事への取組を通して、自分たちの歩みを振り返ったり、将来に向けての決意を新たにしたり、学級みんなで協力して生活していこうとする心情や態度が養われたりしています。こうして、全校の児童が、今年1年間みんなとともによくがんばったな、と感じれられるようなしめくくりができればと考えています。

今年の冬は、例年にない寒波が襲ってきています。先日の大寒の頃もそうでした。しかし、もうしばらくすると立春がやってきます。(今年は、いつもの年より1日早く、2月3日だそうです。)そう言えば、わずかではありますが、日差しが明るくなってきたことを感じます。学校の中庭の木には、雀が以前より多くやってきています。やはり自然は、暦の通り、着実に春に向かって進んでいるようです。今、学校では、新年度に向けて、準備を進めているところです。さまざまな教育活動の反省をし、課題があれば改善策を考え、新年度の教育活動に盛り込むための協議を重ねているところです。教育活動の内容は、基本的には変わりありませんが、その実施の方法は、さまざまな選択肢があります。新型コロナウィルス感染症が収束すれば、教育活動は基本的には例年の通り実施できますが、新年度当初からそのような状態に落ち着くとは考えにくそうです。となると、収束しなかった場合の選択肢も考えながら、新年度の計画を立てておく必要があります。コロナには、わたしたちの知恵が試されています。頭を柔らかくして考えていきます。