フィルタ

下の写真は、1年生の算数での一コマ。画面中央の白いシャツの子をご覧ください。自分の考えを発表したくて、先生に指名を猛アピールしています。背筋をピンと伸ばし、挙げた手の指先までしっかりと力を入れています。人間は、自分の思いや考えを人に伝えたいという本能的な欲求をもっています。伝えることによって、他者との共有感、ときには承認欲求を他者から満たされることへの満足感を得ることができます。私たち大人も、自分のことで特別なことがあれば、それを他者へ伝えたいという強い欲求に駆られることがあります。大人も子どももそこは全く同じです。この人間の本能的な欲求を学校では、大切にしていきたいと思います。それは、「伝えたい」という気持ちを大切にして、授業を進めることです。そして、「自分の考えを伝えて、よい学びができた!」と学習への満足感を得られるようにすることです。その基盤となるのが、子どもと教師との人間関係、子ども同士の人間関係です。温かい雰囲気の教室で学び、生活ができること。これが、学校では最も大切なことであろうと思います。

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今朝はとても霧が深く、出勤中、私の前方に和気の町並みが見え始めると、そこには真っ白い霧がこんもりと溜まっていました。和気は、吉井川と金剛川が流れ、霧が発生しやすく、盆地となっているため、霧が留まりやすいのでしょう。学校に到着後、霧はしだいに消えていきましたが、校舎の3階から外を眺めると、その一部は山の中腹に雲のようたなびいていました。その滑らかな曲線がとても美しく、思わず写真を撮りました。視線を下ろすと、中庭には、大きなクロガネモチ(アクラ)が赤い実を鈴なりに付け、金木犀は黄色い花を咲かせ、甘い香りを周囲に漂わせています。秋の深まりを実感する頃です。

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昨日は、二十四節季でいう白露。白露とは、夜中に大気が冷え、草花や木に朝露が宿り始めるという意味で、だんだんと秋の気配が深まってくる頃ということだそうでう。ちょうど今、秋雨前線の影響もあり、比較的涼しく、秋を感じる日が多くなってきたように思えます。さて、学校では、2学期が始まって1週間を過ぎ、子どもたちは、しだいに学校の生活リズムにも慣れてきたようです。教員も懸命に授業準備を行い、今年度から始まったタブレットによる学習も、各クラスで盛んに行われています。1学期にはなかった新しいアプリを使用しての学習も見られます。子どもたちもそれに食いついて真剣に学んでいます。休み時間には、外で元気よく遊び、子どもたちのエネルギーには感心させられます。コロナ禍ではありますが、学校が休校とならず、子どもたちが毎日学校に通い、多くの仲間とともに学習したり遊んだりできることが、とても価値あることだとつくずく思います。人は、十人十色。いろいろな子どもたちが集まって、個性をぶつけ合いながら、豊かな学びができます。2学期は、運動会を初めとして、いくつもの大きな行事があります。これらを軸に、子どもたち同士のかかわりを深めながら、充実した2学期にしてまいりたいと考えています。

本格的な夏らしい天気が続いています。学級園で育てているヘチマは、ラッパのような黄色い花を空に向けて一斉に咲かせています。運動場に目をやると、北側にあるもみじが、早くも紅葉を始めています。夏真っ盛りですが、その中に秋がそっと忍び込んできているのでしょうか。

さて、夏休みに入って、はや2週間が終わろうとしています。今年は、コロナの影響で水泳練習も中止となり、いつもの子どもたちのにぎやかな声はなく、校内は静まりかえっています。夏休み中に、わたしたち教員は何をしているのでしょうか。その1つは、研修会への参加です。研修会は、校内で学校が自主的に企画する研修会と教育委員会が企画する研修会があり、どちらにも参加しています。研修会の主な内容は、タブレットを使用した学習指導の在り方、1学期の人権教育の実践の振り返り、2学期以降の教育の進め方、等です。わたしたち教員は、常に研修を行いながら資質や能力を高めていかなくてはなりません。研修は、必須のものです。その2つは、会議です。2学期の行事等のもちかたについて、全員で検討しています。今後のコロナの感染状況が計画に大きく影響してくるため、確定的な結論が出せないところが苦慮するところです。その3つは、環境整備や点検です。学校には膨大な数の教材があり、職員が分担してそれらの有無や傷み具合等をチェックしていきます。また、貯まった粗大ゴミをトラックに載せてクリーンセンターへ運び込みます。

教員にとっては、夏休みは、2学期の教育が進展するための準備期間ということが言えるでしょう。8月27日が2学期の始業式。2学期のスムーズなスタートが切れるように着々と準備を進めています。

タブレットとは、ノート型の小型パソコンのことです。国が進めるGIGAスクール構想において、今年度より全国の学校で1人1台のタブレットが配付されました。GIGAスクール構想は、当初は数年かけて順次進める予定でしたが、コロナ禍で学校が休校になっても、児童が自宅でインターネットを通じて学校の授業が受けられるよう、急遽予定を繰り上げ、昨年度末までに物的環境を整備し、今年度より授業での活用を図ることとなりました。教員にとっても初めての体験で、タブレットで何ができるのか探るところから研修を始めました。そして、授業の中で少しずつ活用しながら、今ではその範囲がかなり広がってきました。児童が、自分の考えをタブレットに書き込み、その画面を教室前面に置いている大型テレビに投影したり、図工の作品をタブレットのカメラで撮影して記録に残したり、体育での運動の様子を動画撮影して自分の動きを振り返って次の練習に役立てたり、… このような学習の様子を見ていると、近未来の学校に来ているような錯覚に陥ります。タブレットの学習を始めてまだ3か月程ですが、その可能性はとても大きなものを感じます。今後もタブレットの効果的な活用法の研究に鋭意取り組んでまいります。

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