他と協調して生きる 5月6日

 ゴールデンウイークの後半、我が家の庭に出て、久しぶりに草抜きをしました。草は、人間が種を蒔いたわけでもなく、肥料をやったわけでもないのに、勢いよく伸びてきます。その生命力にはいつも驚かされます。しかしながら、この生命力があるからこそ、食物連鎖のピラミッドの底辺で、地球上の生命を支えることができます。庭に生える草は、少々やっかいなものですが、そうした見方をすれば、草の恩恵を感じずにはおれません。

 また、草を間近で見ると、草の生きるための戦略に気付かされます。あるものは、すっと高く伸び、またあるものは背丈は低いものの地べたを広く覆うように葉を広げています。いずれも日光をより有利に獲得しようとする戦略でしょうが、その方法は草の種類によって異なります。草もそれぞれ知恵を絞り、生きるためのさまざまな方法を編み出したようです。生存競争のなせる業です。

 さて、わたしたち人間はどうでしょうか。人にはそれぞれ個性があります。しかもその個性は、みんな違っています。まさしく十人十色です。一時「みんな違ってみんないい」という言葉が流行りましたが、人は、それぞれ違ったよさをもっています。自分にはないよさを自分以外の誰かがもっているのです。ですから、人同士が互いにかかわりを深めながら、豊かに生きていくことが大切なのだと思います。

 草は、生存競争に勝ち抜かなければなりませんが、人間は、他と協調しながら豊かに生きていくことが大切なのでしょう。